練習は、裏切らない。
中学生のころから弾きはじめたので、ぼくのギター歴は37年ということになる。
プロではないので、37年間分上達したかというと、そうではない。何年か、ほとんど触らなかった時期がある。でも、特にここ数年、毎日のようにコツコツ練習をしている。
そこで、あたらめて確信することがある。
修練の必要な全てのものに共通して言えることだけど、「練習は裏切らない」。これは真理だなと。
毎朝、決まった運指の練習をする。以下……
左手の人差し指を1、中指を2、薬指を3、小指を4、何も抑えない(開放)を0と表記する。
右手の親指をp、人差し指をi、中指をm、薬指をa、小指をc、と表記する。
【運指練習】
・6弦の0から4フレットを順に左指01234で押さえる。
・5弦から1弦までも同様に押さえる。
・1弦の5から8フレット、続いて9から12フレットを左指1234で押さえる。
・そのままの左指の位置で、1弦の11から9フレットを順に左指321で押さえる。
・1弦の8から5フレットを左指4321で押さえる。
・1弦の4から0フレットを左指43210で押さえる。
・2弦から6弦までも同様に押さえる。
文章にすると異様にややこしく見えるが、実際は半音ずつ上がったり下がったりしているだけ。
これを右指imを交互に、miを交互に、maを交互に、amを交互に、4セット行う。
最初のうちは左指の動きにma、amの動きがうまくついてゆけずイライラすることもあるけど、慣れてくると1分くらいで弾けるようになる。
わずか1分の運指練習。これを習慣にしてから1年くらい経っただろうか。
習慣にしていなかったころと比べて格段にうまくなった。具体的にどううまくなったかというと……
1)左指について、難解なコードフォームや運指がスムーズになった。
2)右指、特に中指と薬指の動きがスムーズになった。
3)音の強弱(抑揚)が指単位でつけられるようになった。
3)を手に入れたことが、とにかくありがたい。抑揚、つまり音に表情がつけられるということは、個性がつけやすくなるということだ。ギタリストの個性はメロディや技巧によるものもあるが、個性がもっとも現れているのはトーン(音色)だとぼくは思っている。
ギターを弾いた瞬間に、「おっ、いいねえ」もしくは「この人、ただもんじゃねえな」と感じるのはトーンがいいから。
このトーンは機材(ギター、エフェクター、アンプなど)にも左右されるが、一番影響するのはギタリストが弦をどう押さえて、どう弦に触れるか、だ。
52歳になってもギターはうまくなる。
「練習は裏切らない」
これは、ギターに教えてもらった、もっとも大切なことだ。
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